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fashionを通していろいろ考えるblog

ファッションブログだけど、キャピっとしてないし、おしゃれではないです。

オーガニックコットンとエシカルとビジネスと。その1

先日、とあるイベントに参加してきました。

 

イベントは、フェアトレードの団体が主催しているということで、コットンの生産に携わる児童労働問題や貧困問題の話がメインでした。

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(コットンの栽培から生地が作られ、消費者へ洋服が渡るまでの流れが分かるワークショップ。洋服づくりに携わるそれぞれの立場から、児童労働問題を考えようというものなのですが、私、縫製会社の社長役。立場が分かるだけに、やりづらい・・・。)

 

個人的には、「オーガニックコットン」についての話が一番興味あったんですよね。

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オーガニックコットンのデニム、いいね!」とか言いつつ、オーガニックコットンがどういうものなのか、実はよく知らない・・・。オーガニックコットンと関連あるような「エコ」や「エシカル」という言葉も最近よく使うのですが、こちらもまだまだ勉強不足。

こういう批判のしがたい耳障りのいい言葉をきちんと理解せずに書き連ねるのって、なんとなくのファッションで使っているみたいでダセーよな、と思っていたところに、このイベントのお誘いを受けました。出不精の私を誘い出してくれる友人というのは、本当にありがたい存在です・・・。

 

今回は、このオーガニックコットンに関する講習と、それを受けて自分なりに調べたことをまとめてみました。オーガニックコットンとはどういうものか、普通のコットンとは何が違うのか、結局のところオーガニックだからってなんなんじゃい!?という疑問を晴らしておこうと思います。

 

その前に、質問です。

あなたは「オーガニックコットン」に対し、どういうイメージがありますか?「環境にいい」?「健康にいい」?「風合いがいい」?

なんとなくでいいので、頭の中に思い浮かべておいてください。ちなみに私は、「オーガニックコットン」=「(環境にも?健康にも?)いいもの」くらいの認識でした。

 

 

オーガニックコットンとは? 普通のコットンとの違いは?

オーガニックとは「有機の」という意味で、3 年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産されたコットンを「オーガニックコットン」と呼びます。無農薬・無化学肥料で作ったコットンでも、1年目、2年目というのは、土壌の残留農薬が影響する期間ということで、オーガニックコットンとは呼べないんだそうです。

じゃあ、普通のコットンオーガニックコットンに対して、コンベンショナルコットンと呼ばれています)は、どんな作られ方をされているのかというと、殺虫剤、枯葉剤、除草剤などなど、種類も量も想像以上の農薬を使用してます。その大量の農薬は、土壌汚染を引き起こし、農家の人々の健康を蝕んでいます。

このイベントで紹介されたインドでは、綿の摘み取り作業や綿に絡まった種を取り除く作業などに、子ども(多くが女の子)が従事しているのだそうです。大量の農薬が使用された綿を、成長途中で環境の影響を受けやすい子どもが直接触る・・・。ちょっと恐ろしいです。実際、農薬の影響によって血液ガンを発症し、16歳で亡くなった女の子の話も聞きました。

そんな児童労働の背景には、親の貧困問題が絡んでいます。コンベンショナルコットンの種は遺伝子組み換えが主流になっているのですが、遺伝子組み換え種で栽培した綿花から取れる種は、土に植えても芽を出しません。1回しか栽培できないため、毎年、業者から種を買う必要があります。大量、多種類の農薬も、農家の人々の経済的負担になっています。また、綿花は石油や小麦と同じく先物取引で価格が決まるので、相場が安定しないことも、綿農家の人たちの悩みとなっているそうです。

そんな児童労働問題と貧困問題を解決する1つの手段が、オーガニックコットンへの切り替えであり、それを認定NPO法人ACEがサポートしています。

(詳しく知りたい方はこちら:「コットンのやさしい気持ち」プロジェクトとは | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

 

 

では、答え合わせです。

あなたは「オーガニックコットン」に対し、どういうイメージがありますか?例として、「環境にいい」?「健康にいい」?「風合いがいい」?などを挙げましたが・・・、この中で正解なのは、「環境にいい」だけなんですねー。

大量に農薬を使用しているコンベンショナルコットンでも、洗浄、精練をすることで、最終的に綿に残る農薬はかなり少なくなっています。さまざまな加工を経た、原料としての綿になった段階では、もうオーガニックコットンとコンベンショナルコットンの差はほとんどなく、残留農薬などを調べても見分けがつかないんだそうです。ですので、「オーガニックコットンだから、健康にいい」というのは科学的に実証されているわけではありません。かつて「オーガニックだからアトピーに効く」なんて謳っていた商品もありましたが、こちらはもってのほかです。

オーガニックコットンとコンベンショナルコットンは栽培方法の違いでしかないので、「オーガニックコットンだから、風合いがいい」ということもありません。生地の柔らかさは、綿の品種(綿繊維が細くて長い方がしなやかな生地ができる)や織り方・編み方など、他の要因で決まります。

 

 

オーガニックコットンは、環境に優しく、生産者に優しい綿、なのです。だから、できるだけオーガニックコットン商品を買おう!

・・・と素直に勧められるほど、事は単純ではなくて。調べれば調べるほどいろんな情報が出てきて、何が真実なのかが分からない、というのが今の正直な気持ちです。

 

オーガニックは生産性が低いから、より多くの土地と水を必要とする、虫を寄せ付けない特性や特定の除草剤に耐性をもたせることができる遺伝子組み換え種のおかげで、より少ない農薬の使用になっている、という話もあったりします。オーガニックコットンにしろ、コンベンショナルコットンにしろ、ビジネスとして成り立つには、多くの人が関わってくるわけで・・・、まぁ、それぞれに主張があるでしょうね。

先進国であるアメリカ(コットンの生産量3位 *注1*と途上国のインド(コットンの生産量2位)では、オーガニックコットンにしてもコンベンショナルコットンにしても、生産環境が違っていると思うので、並列に比較をすることはできません。昔ながらの知恵と工夫か、近代的な技術革新か、どちらが本当の意味で環境にいいのかは、私には判断できません。

*注1* 参考資料:綿花の生産量 国別ランキング統計・推移 - Global Note

ただ、インドのコットン生産に多くの子どもが携わっていること、その子どもらが健康被害に悩まされていること、そこには根深い貧困問題があること、これらは紛れもない"リアル"です。これらを解決しようと活動されているNPOの方々には頭が下がりますし、オーガニックコットンがそれらを解決するひとつの手段ならば、応援したいなぁ、というのが私の今の気持ちです。

 

 

こういう話をすると、どうしても堅い文章になってしまいますね・・・。正義を振りかざした、啓蒙じみた話はあまり好きではないのですが、「ファッション商品の満足いくお買い物」をするのに、オーガニックコットンの話は避けて通れないと思うので、もうしばらくお付き合いください。

 

 

次は、綿そのものから商品になった際の、”結局のところオーガニックだからってなんなんじゃい!?”の疑問を晴らしていきます。でも、続きは違う内容の記事をいくつか書いてからにしよう・・・。

 

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