ファッションの力
ファッションのことブログに書かないだの、やっぱり書くだの、心の右往左往っぷりが、どっぷり滲み出ている当サイトですが、なんでそんなことになっているかという、そもそも話をしますと、ファッションやデザイナーというものに、いろんな疑念を抱えてしまっていたからです。(んー、いや、正しくは、まだ過去形にはできかねるんだけど。)
そう、同業者ブロガーさんたちのコメント通り、まさに、迷走デザイナー・・・。
疑念その1が、「洋服作ることって、今の世の中的に、必要とされていることかな?」
洋服って、「衣食住」って言葉がある通り、生活必需品であるけれど、かわいい!とかかっこいい!とか、夢、までは大げさだけど、HAPPY!を生み出すファッションとしての一面もあるわけですが、今の洋服に求められるものが、ファッションではなく、生活必需品としてだけの側面しか、求められていないんじゃないか。
「しか」というのは大げさだろうし、みんながみんなそう思っているわけではないんですけど、そんなことは重々承知の助なんですけど、強い気持ちで、そんなことはない!と、思えない自分がいました。
たまたま付けてたテレビで、SHIBUYA109が、岩手県釜石市に期間限定でオープンした、というニュースを見ました。
今回のプロジェクトは、釜石市に住んでいる女子中学生から、SHIBUYA109を運営する東急モールズデベロップメント宛に届いた、1通の手紙をきっかけとして実現することになりました。
手紙には「釜石市が復興に向け前進していく中で、市の活性化につながるイベントをSHIBUYA109とコラボレーションして企画したい。洋服をデザインしたり、その服を売ったりして釜石に人を集めることができれば…」という思いがつづられていました。
当社と釜石市はこの手紙に共感し、本プロジェクトを企画しました。SHIBUYA109を通じて、中高生を中心とした地元の方に、楽しさや元気さを味わっていただき、釜石の活性化につながればと考えております。
(SHIBUYA109 KAMAISHI PROJECT 公式サイトより)
SHIBUYA109がその手紙をきちんと受け止め、こうして実現に至ったこと、ファッションに携わるものとして、すごく誇らしく思う。
でもそれ以上に、このイベントがアパレル業界からの発信ではなく、消費者側、しかも東日本大震災の被災者の方の声であること、被災地でファッションが必要とされているんだ、そう思えてすこぶるうれしかった。
私とファッションの関わり方について、今感じている疑念はこれだけではなくて、すべての疑念が100%晴れることは、もしかしたら、ないのかもしれない。でも、こうやって試行錯誤する日々が、デザイナーとして必要だったと思える日は、やってくるような気がする。
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SHIBUYA109 KAMAISHI PROJECT
http://www.shibuya109.jp/kamaishi/
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