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fashionを通していろいろ考えるblog

ファッションブログだけど、キャピっとしてないし、おしゃれではないです。

今、「こなれ」が女性誌に頻出する理由

確かに、最近のファッション誌では「こなれ」の文字が多く目につきます。

 

そして、そんな頻出する「こなれ」に疑問を持つ人も出るわけで、


【ファッションおたく】「こなれ」って? 「ガーリー」って何語やねん!? 理解不能、ファッション用語連発女子の会話(1/3ページ) - 産経WEST

という関西弁ツッコミのタイトルの記事が書かれたり、

 

「こなれ感のあるファッション」の具体的なコーディネート写真が


【コーディネート集】よく耳にする「こなれ感」ってどんなファッション? - NAVER まとめ


”こなれ感”あるシンプルお洒落なコーディネートがしたい!|MERY [メリー]

 

まとめサイトで取り上げられたりしています。

 

 本来の「こなれ」の意味は?

ファッションを表現するのに、最近よく使われる「こなれ」という言葉ですが、そもそもは「こなれる」という動詞があり、それが名詞化されただけのもの。最近の新しい言葉でもなんでもありません。

「こなれる」を辞書で調べると、

こな・れる【▽熟れる】

1 食べた物が消化される。「胃のぐあいが悪く、食べ物がよく―・れない」

2 世慣れて円満になる。かどがとれる。「人間が―・れてきた」

3 物事に熟練する。無理なく思いのままに運用できるようになる。「芸が―・れる」「―・れた文章」

4 調和の取れた状態になる。「じっくり煮込んで―・れた味になった」「地味だが―・れた着こなし」

5 動きがおさまり、落ち着いた状態になる。「人気の新製品も当初に比べ価格が―・れてきた」

こなれる【熟れる】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

5つの意味が並べられてますが、こなれる対象が食べ物なのか、人なのか、服なのか、値段なのかで多少の解釈が変わるだけで、意味としては同じです。「こなれる」とは、ようは「熟」の状態になるということです。それをファッションに置き換えると、"ファッションを熟知した上で、洋服を今の自分にマッチするように着こなし、おしゃれに仕上がった状態"といった感じでしょうか。

 

 

なぜ、今「こなれ」なのか

「こなれ」の意味や、どういうのが「こなれ」ファッションなのかということは、上記のサイトに書いてあるのでそちらを参照するとして、ここでは、なぜ今「こなれ」が女性ファッション誌によく出てくるのか、そちらを掘り下げようと思います。

 

上記であげた関西弁ツッコミの記事には、こんな分析も載っていました。 

トレンド分析を行う「女性潮流研究所」(東京都港区)によると、ファッション誌が「こなれ系」を「かわいい」や「モテ」に代わるトレンドとして猛烈にプッシュしたが、消費者にはピンと来なかった。ところが、昨年流行の「カーディガンの肩掛け」で表舞台に登場したという。「“わかる人にだけにわかってもらえればいい”という排他的なイマドキの若者価値観が集約されているのが『こなれ』」だと分析している。

【ファッションおたく】「こなれ」って? 「ガーリー」って何語やねん!? 理解不能、ファッション用語連発女子の会話(3/3ページ) - 産経WEST

ということらしいですが、「こなれ」が「かわいい」や「モテ」に代わるトレンドってのも、その過程に脈絡がなくてなんだか強引だし、"排他的なイマドキの若者価値観"ってのもどうなんだろ? 上記のまとめサイトのコーディネートを見ても、"分かる人だけ分かればいいオシャレ"な感じはしなくないですか? もちろん好みや世代によって意見は分かれるだろうけど、だからと言って排他的とまで感じる人はあまりいないんじゃないかと思う。

「カーディガンの肩掛け」の大ヒットが「こなれ」を表舞台に登場させた一番のきっかけであることには同意だけれども、その他の部分はなんだかピンときません。

 

今、「こなれ」という言葉が多用される理由は、

(1) ここ数年のトレンド商品がベーシックだから

("トレンドがベーシック"に関する過去記事→2013年、春のファッションキーワード:ムード編、その2

(2) 何を着るかよりもどう着るかが重要視されているから

("どう着るかの重要性"を感じた過去記事→タレントからスタイリストへ

の2つの要素によるものかと思う。 

 

ベーシックな服というのは、年齢性別問わず、誰でも着るアイテムだったりします。今だと、カーディガンやチェックシャツなどが分かりやすい例でしょうか。もちろんそれらのベーシックアイテムにも、色やシルエットや素材といった細部にトレンドが反映されますが、カーディガンは丸首無地だし、チェックシャツはやっぱりネル素材だし、といった感じで、そういう細部も比較的ベーシックだったりするのが、今の主流です。

そういういわゆる普通の服、誰が着ても同じ印象の服を、どう着こなし、いかに合わせるかという作業が「こなれ」を生みます。袖をゆるっとまくってみる、カーディガンは羽織らず肩にかけるパンツのロールアップ幅を調整する、そこにある服を今の自分に合うようにしていく行為が「こなれ」です。

もちろん、そういう「着こなすための工夫」は、今に始まったことではありません。でも、ベーシックがトレンドの中心を占め、「いかに着こなすか」に注目が集まっているからこそ、コーディネートのひと手間そのものにトレンドが宿るようになったんじゃないかと思うのです。そのひと手間を「こなれ」と表現することで認知が広がり、言葉そのものもトレンド化したんじゃないかと。

 

そうして作り上げられたスタイルは、分かる人だけが分かるというよりも、おしゃれな理由は分からないけど、おしゃれなのは分かる、簡単に言うと、「普通っぽいけど、なんかおっしゃれー!」な印象になるんでないかな。

 

 

ファッションって、本来は「かっこいい!」「おしゃれ!」「素敵!」って直感で感じるもので、それを言葉で表現すると逆にダサくなったり、胡散臭くなったりもするんですが(だから、関西弁でツッコむ記事を書かれるんでしょうが)、「こなれ」ってなかなか的を射た表現だと思いませんか? 

 

 

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