ファッションの意味
昨年の話ですが、BAILA(バイラ)12月号で素敵な言葉との出会いがありました。せっかくなので、このブログにも書き残しておこうかと。
私のバイラの楽しみの1つに、石田衣良さんの連載エッセイがある。内容もさることながら、文章の書き方、言葉のチョイスが好きである。比喩や情景の伝え方なんかは、やっぱり書くことを生業としている方だけあって、表現が豊かで、リアルに想像が膨らむ。でも、そこには下手に奇をてらった感じもなく、ナチュラルに、すーっと文章が入ってくる。
12月号は、メンズファッションについて、衣良さんの思うところがつらつらと書かれてあったのだけど、メンズだけにはとどまらない素敵なファッション感に、大いに共感したのです。
ファッションは生活をたのしんでいるのだという宣言で、自分がどう見られるかという問題だけでなく、他者へのもてなしに近い感覚がある。
ファッションは、他者目線か、自己満足か、この二者択一で語られることが多いような気がするのだけど、それだけってのもなんか違うよなぁ、と思いつつ、いい言葉で表現できないでいました。
「他者へのもてなし」という言葉は、自分主体だけども、相手のことも考えていて、「異性モテ」だの「上司ウケ」だのという言葉とは、視点が全く違う。とっても素敵な表現だなぁ、と。
ファッションの仕事から、一時的に離れた立場にいる今、あらためて、企業デザイナーという枠を外して、ファッションと向き合っています。
ファッションとは、何なのか。人々は今、ファッションに求めているものは何なのか。私は、その世界とどう関わっていき、どう、社会に還元していきたいのか。
そんな中、この言葉を思い出しました。
おしゃれをすることは、人間が人間らしく生きていく上でとっても重要な位置を占めている、なんだか、そんなことを言われているようで、素敵な表現に出会えたなぁ、と、救われた気持ちになりました。
↓FeedlyやTwitterでブログの更新情報を受け取れます。