デザイナーの企画の方法
商品の企画において、一番大事なのが、リサーチ。
NY、ロンドン、パリ、ミラノのプレタポルテコレクションはもちろん、それより先に発表されるプルミエールビジョンやイデアコモといった国際的な生地の展示会の情報をチェック。また、企画会社やファッションジャーナリストのセミナー(藤岡篤子さんのに行けたら、ラッキー♪)へも赴き、情報収集。
そうして、次やその次の季節のトレンドを念頭に置いた上で、今の実際の日本の市場をリサーチします。定期的に東京や大阪へ出張したり、名駅や栄に出かけたりして、街を、人を観察します。もちろん、雑誌も何種類か目を通し、業界新聞である繊研新聞も見て、ネットもチェックします。
そうして得られた情報を元に、次は、イメージマップを作ります。
イメージマップとは、企画したい商品やコーディネートの写真をまとめたもの。
(ちょっと違うけど、こんな感じです。→秋モードへシフトするなら、まず色を押さえよ! - fashionを通していろいろ考えるblog )
自分のイメージとリンクする写真をピックアップし、コラージュします。写真は、洋服だけに限らず、花だったり、雑貨だったり、イメージ、世界感が伝わるようなものを選びます。
そうして、企画の根本となる、イメージテーマを設定し、そこから、生地や色やデザインを決めていきます。例えば、イメージテーマが、"urban sporty~ 都会的で女らしいスポーティースタイル~" だとしたら、じゃあ、脱カジュアルなスウェットトップスを作ろう!となるわけです。
かわいくて本格的な子供服&雑貨をハンドメイドされてるminamiさんから、「企画をする際、デザイン画が先?生地が先?」という質問をいただいていましたが、こんな感じで、まず、イメージが先なので、どちらが先、ということはないです。デザインと生地は密接にリンクしているんで、どちらも、ある程度の想定があって、企画を決めています。
・・・なーーーーんて言ってみたいもんだーーーー!
minamiさん、ごめんなさいσ(^_^;)。かっこつけてしまいました。
あ、けっして、嘘ではないんですよ。実際、コレクションチェックもするし、セミナーにも行くし、イメージマップも作ったりするんですけど、イメージマップ作る時間なくて、ただただ写真をプリントアウトしただけの束を持って、企画会議に参加することもしょっちゅうだし、セミナー行っても、眠くて半分聞いてなかったりしたりして。(おいおい。)
上の手順は、こうやりたいという、理想です・・・。実際は、こんなに念入りに、企画を考える時間は取れないまま、企画を考えまくらなきゃならんことがほとんどです。
企画って、デザイナーとマーチャンダイザー(略してMD)で考えるのですが、
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マーチャンダイザー【merchandiser】
マーチャンダイジング(商品化計画)についての数値責任を果たすことのできるスペシャリスト。
(新ファッションビジネス基礎用語辞典より抜粋)
簡単に言うと、売れるものを作る企画の責任者、です。
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デザイナーが、「アーバンで~、フェミニンなスポーティー!」と言葉の限りに説明しても、MDさんは、イメージ写真だけでは理解してくれないので、実際は、店頭で売っている商品を参考にして企画することが多いです。
あとは、「この生地、工場の在庫生地で安く手に入ったから、今っぽく売れる企画、考えて。」とか、「今、とにかく花柄が売れているから、次の売れる花柄、リサーチしてきて。」とか、MDさんから課題を与えられて、企画を考えることも多いですねー。
実際の自分たちのお客様の先で売れてる要素だったり、お客様が気になってるトレンドだったりを加味しないと、どれだけセミナーでプッシュされていようが、どれだけデザイナーがイイ!と思おうが、間違いなく、却下されるのが現実です・・・。
最後は愚痴っぽくなってしまいましたが、こんなんで参考になったでしょうか、minamiさん・・・(汗)。 とはいえ、これは、私が所属していたチームのやり方で、会社や担当アイテムによって、いろいろと違うんだろうなー。MDとデザイナーの力関係も、会社によって、けっこう違うみたいだし。
sachisachiさん、mieさん、akinekoさんとこは、どんな感じですか~?
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