ユニクロバングラ進出を、作り手に思いを寄せて見る。
ユニクロのバングラディッシュ進出に密着した、HNKスペシャル、ようやく見れました。
→ユニクロのバングラディッシュ進出に密着したNHK番組が話題に
いろんな意見、とりわけ、杜撰に見えるマーケティングに関して、さまざまな見解がネット上にあがっていますが、私はやっぱりデザイナーなので、柳井会長がどうとか、ビジネス戦略がどう、というよりも、現場で担当していた方たちに思いを寄せてしまうし、出店してみてどうだったか、という結果以上に、どういう方向性にしようか、どういう思いで、その方向性にしたのか、という過程の方が、気になります。
その、杜撰だと騒がれている部分を要約して書くと、
バングラディッシュ2号店で、レディースが苦戦していて、再度マーケティングをし直すと、バングラディッシュの女性は、カジュアル服を着ることはほとんどなく、民族衣装しか着ない、ということが分かる。
こうして文字にすると、そして、あの番組の編集の仕方だと、確かに杜撰だなぁ、という印象を持っても仕方がないかもしれない。でも、上のサイトでも書いてあるけど、上層部も現場の人も、そのことを知らずにいたワケではない、と私も思う。下請けの縫製工場があるんだから、バングラディッシュの文化は、それなりに理解しているはずでしょう。
そういう問題が、なんで起こったかといえば、担当者の人たちに、今までのユニクロの成功法則や、ユニクロ・アイデンティティにとらわれていたところが、やっぱりあると思うんですよね。もちろん、今までのやり方では通用しないぞ、っていう思いは、絶対、意識してらっしゃるとは思うんです。
でも、やっぱり、自分たちの強み、自分たちでできることで勝負したい、カジュアル服で世界と勝負してきたユニクロのファッション文化で、バングラディッシュに挑戦したい、っていう思いは、多分、強く願っているというより、ほぼ無意識のように思っていることなんじゃないかと。そうすると、バングラディッシュの文化に、寄り添うのではなく、バングラディッシュの文化を自分たちの方に引き寄せるような発想にどうしてもなってしまう。
そもそものスタートが、自分たちのできること、だから、民族衣装に寄せたカジュアル服は作れても、民族衣装を売ろう、という発想には、作ってみて、やっぱり違いましたー!ていう経験をしないと、行きつけないですよ。
でもこれ、決して失敗ではないんですよね。
失敗して、考えて、意識が変わって、最終的には結果に繋げる、という一連の過程を、柳井会長は体験してほしいんでしょうから。
マーケティングが杜撰、という一言では片づけられない、作り手側の葛藤が垣間見えた、デザイナーとして考えさせられる番組でした。
*********************************
Twitterやってます。(アメーバなう も、同期してます。)
acorn的リアルタイムなファッション情報、ぽつぽつつぶやいてます。
ツイッターやられてる方、よかったら、@acorn10103460フォロミー♪
*********************************